「戦略カードバトル」をご覧いただきありがとうございます。
私は長年会社に勤めていますが、入社10年目のある日「社内企業家」になろうと決意し、それ以来15年以上も新規事業ばかりやっています。社内企業家とは、普通の起業家と異なり、会社内で自社のリソースを使いながら、新規事業を立ち上げる人のことです。
これまで長いこと戦略を学び実践してきましたが、中でも最も影響を受けた戦略理論が、クリステンセンの「イノベーションのジレンマ」、ポーターの「競争戦略」、そして恩師でもある早稲田大学ビジネススクールの山田教授の「逆転の競争戦略」です。戦略によって競合企業の「強みを弱みに変える」ことが出来る。所属企業が、ともすると「負け組」と呼ばれることも多かった中で、これらの理論には大いに勇気づけられ、その理論を使って、新規事業を立ち上げることとしました。
しかしながら、理論は理論、それを実践することは容易ではありません。書籍もビジネススクールも、本当の意味での戦略の「作り方」を教えてくれるわけではないのです。それでも、社内企業家として、文字通り四苦八苦しながら、ゼロから2,000億円の事業を立ち上げることが出来ました。そして、戦略の作り方のコツが分かった(気がした)のです。そこで、なんとか戦略の作り方を体系化できないか、しかもそれを楽しく伝えられないかと考えました。
既存の戦略理論を再び読み漁ると同時に、500以上の戦略事例を分析した結果、競業企業の強みを弱みに変える打ち手を体系化することが出来ました。またそれぞれの打ち手をつなげることで、より強い戦略にすることが出来ることも分かりました。こうして、35枚の戦略カードを使って、ポ●モンカードバトルのように戦略を作るという「戦略カードバトル」が生まれました。
もちろん、戦略は奥が深く、誰でも簡単に優れた戦略が出来るという訳ではないかも知れません。しかしながら、それでもなお、この「戦略カードバトル」によって、戦略の作り方はお伝えできると考えています。一人でも多くの方に戦略を作る楽しさをお伝えできれば、これほどの喜びはありません。
目指せ、ジャイアントキラー。
開発者 平塚 隆介
社内企業家、大手エネルギー会社勤務。UAEでの海外勤務を経て、ビジネススクールでMBAを取得後、給油所での個人向けカーリースを発案、初期投資2億円でゼロから2,000億円のマーケットを創出。その後も新規事業に携わり、現在は青森県で、欧州最大手の再エネ事業者と合弁で洋上風力発電事業を推進中。専門はビジネスモデル、事業戦略。弱い企業が強い企業に打ち勝つための方法論を構築し、日々実戦で活用を行っている。ビジネス+ITで連載中。(たまにですが)