このページを見れば「ジャイアントキラー戦略」の全貌が分かります。(所要時間約5分)
「ジャイアントキラー戦略」とは強大な競合企業の「強み」を「弱み」に変え、ジレンマに陥れる戦略です。
そんな魔法のような戦略があるわけないだろと怪訝な顔をされるかも知れません。でも、成功した企業のほとんどは、実際に強い競合企業(「ジャイアント企業」と呼びます)の「強み」を「弱み」に変えて事業を展開し、見事な逆転劇を実現しているのです。
その鍵は、戦略上の打ち手である「戦略カード」にあります。「戦略カード」を使うことによって、競合企業の「強み」を「弱み」に変えることができるのです。以下の事例で具体的に見てみましょう。
エニタイムフィットネスの「戦略カード」
例えば、あなたが総合フィットネスの経営者だと考えてみて下さい。最近、近くに筋トレマシン専用の24時間フィットネスがオープンして大人気、退会者も増えてきて・・・。こんな時、あなたならどうしますか?
もし追随して筋トレマシン専用にすると、今あるプールやスタジオ、何よりスタッフが不要になってしまいます。でも今さら設備を壊し、スタッフをクビにすることも出来ません。「あ〜、いったいどうりゃいいんだぁ・・・。」
これは、実際にエニタイムフィットネスがとった「製品特化」という戦略カードです。もともとの強みである、プールやスタジオ、スタッフが足かせとなり、総合フィットネスにとって追随が困難な打ち手となっています。
メルカリの「ジャイアントキラー戦略」
このような戦略カードを組み合わせることで、ジャイアント企業の強みを弱みに変える戦略=ジャイアントキラー戦略を作ることができます。メルカリ vs ヤフオクの例で具体的に見てみましょう。
事例:王者ヤフオクを逆転!メルカリのジャイアントキラー戦略
メルカリがサービスを開始した2013年、ヤフオクの取扱高は7,500億円を超え圧倒的な強さを誇っていました。これに対し、メルカリは、❶女性をターゲットに、❷フリマに特化し、❸簡単な手続きで、❹スマホメインに、❺出品料を無料化して、サービスを展開したのです。
幅広い層に対し、オークションで、PCをメインにして、様々な追加機能を付加して、月額出品料をとって収益を上げていたヤフオクにとっては、どれもが追随が難しいカードです。ヤフオク担当者がモヤモヤさせられていたことは想像に難くありません。
メルカリの戦略の凄み
さらにここで重要なのは、メルカリの戦略は、それぞれのカードがつながっているということです。
ターゲットの「女性」にとっては、誰かと競うオークションより「フリマ」の方が気軽です。空いている時間にフリマに素早く出品するためにはPCより「スマホ」の方が便利です。そして、出品後の手続きもスマホを使えば簡単に行うことができます。このように、女性→フリマ→スマホ→手続き簡単、という一連の戦略カードがつながって、大きな効果を発揮しています。また、出品料無というカードが、女性を中心とした新規顧客の開拓に寄与しました。(ヤフオクも2018年に無料化)
このつながりこそが、ヤフオクの追随を一層難しいものにしています。皆さんご存知のように、その後メルカリは大躍進を遂げ、2022年の流通総額は実に8,800億円に達しています。
ジャイアントキラー戦略のまとめ
「ジャイアントキラー戦略」がどういうものかお分かりいただけたかと思います。最後に、本ページのポイントのまとめです。
1.ジャイアントキラー戦略とは、競合企業の強みを弱みに変える戦略のこと。
2.「戦略カード」を使って競合の強みを弱みに変えることが出来る。
3.「戦略カード」をつなぐことで、競合の追随をより一層難しくすることが出来る。
500以上の戦略事例を分析したところ、35枚の「戦略カード」があることが判明しました。STEP2では、戦略カードを一挙に公開します。
目指せ、ジャイアントキラー。
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