このページを見れば、35枚の「戦略カード」の中身が分かります。(所要時間約10分)
「戦略カード」とは、ジャイアント企業の強みを弱みに変えてジレンマに陥れる戦略上の打ち手のことです。
戦略カードは、500以上の戦略を分析し、ジャイアント企業の強みを弱みに変える打ち手を抽出したものです。これを使って、ジャイアント企業に攻撃を仕掛けていきます。下の7つの箱に5枚ずつ、合計35枚のカードが入っていますので、箱をクリックしてみて下さい。(下のカテゴリーリストからもクリックできます。)
戦略カードの7つのカテゴリー
1.「顧客ターゲット」のカードをGET!
競合が持つ幅広い顧客層を逆手にとって攻撃します。
通常、ジャイアント企業は幅広い顧客層を有しています。このため、「顧客限定」により顧客ターゲットを絞り込みます。特定の顧客にターゲット絞り込むと他の顧客の流出につながるため、競合は追随しにくくなります。
(例:スポーツユーザー向けに特化したビデオカメラメーカーGoPro vs 大手家電メーカー)
逆に、ジャイアント企業が特定の顧客層から強い支持を得ている場合は、「顧客拡大」であえて顧客ターゲットを広く取ることで、幅広い顧客層の取り込みを図ります。幅広いニーズに応えようとすると、特定の顧客層の流出を招く恐れがあるため、ジャイアント企業は追随しにくくなります。
(例:年齢・性別を問わない幅広い顧客層を持つユニクロ vs 大手アパレル)
その他、これまでにない新たな顧客層を開拓する「顧客開拓」、既存顧客をターゲットに新たな・製品サービスを提供する「顧客深耕」、競合企業を狙い打ちする「顧客奪取」があります。
2.「製品・サービス」のカードをGET!
競合の持つ製品・サービスにおける強みを攻撃します。
通常、ジャイアント企業は豊富な製品ラインナップや製品機能を有しています。この場合は「製品特化」により製品や機能の絞り込みを行います。競合にとっては、自社の強みが活かせなくなる、または既存顧客の不満を招く恐れがあるため、容易に追随ができません。
(例:フリマアプリに特化したメルカリ vs ネットオークションNo.1のヤフオク)
また、ジャイアント企業が自社の豊富なリソースを活用して、製品・サービスの提供を行っている場合は、「マッチング」により、他社の製品・サービスと顧客のマッチングを行います。他社製品を扱うと自社製品が売れなくなってしまうため、ジャイアント企業をジレンマに陥れることが可能です。
(例:ハイクラス転職サイトのビズリーチ vs 転職業界No1のリクルート)
その他、製品・サービスに新たな機能を付加する「付加価値」や、ジャイアント企業と同等の機能を効率的に代替する「機能代替」、製品販売ではなくソリューションを提供する「課題解決」があります。
3.「料金設定」のカードをGET!
競合と料金設定を変えることで、競合を攻撃します。
通常、ジャイアント企業は利益を最大化できる料金設定を行っています。このため、「価格差別化」により競合よりも大幅に低価格(または高価格)にすると、利益の流出(または顧客の流出)が起きるため追随は容易ではありません。
(例:低価格なワークウェアで人気のワークマン vs 大手アウトドアブランド)
さらに、一部の料金を「無料化」すると、追随はより困難となります。また、「定額料金」を使い、サブスクで月々一定額にすることで、従量課金で利益を上げている競合の追随を遅らせることが可能です。
(例:無料メニュー+定額メニューで音楽を聞き放題のSpotify vs かつて音楽配信No.1のApple iTunes)
その他、料金を見積りで決める競合に対してメニュー料金を予め開示する「メニュー化」、プロセスではなく成果に応じて課金する「成果報酬」があります。
4.「販売チャネル」のカードをGET!
競合の販売力を支える販売チャネルの強みを攻撃します。
通常、ジャイアント企業は、販売力の高い店舗網や営業部隊を抱えています。この場合は「直販」により、ネット等でダイレクトに販売を行うと、店舗網や営業部隊が不要となってしまうため、追随が困難となります。
また、ジャイアント企業が多数の店舗を抱える場合には、「新業態」で新たなコンセプトを持つ店舗を開発、展開するのが有効です。立地や敷地面積などが合わないため改修は困難となり、改修するとしても多額の費用が掛かることから、追随は困難となります。
(例:マシンに特化して24時間営業を行うエニタイムフィットネス vs 最大手コナミスポーツ)
その他、フランチャイズ店舗を一気に拡大する(または直営店舗での展開を行う)「FC化(直営化)」、他社店舗を活用して販売力を短期間で高める「他社活用」、自社の既存の販売チャネルを転用する「既存活用」があります。
5.「プロモーション」のカードをGET!
競合が潤沢な予算を投じて行っているプロモーションの強みを攻撃します。
通常、ジャイアント企業は、製品・サービスにおける様々な強みをPRしています。そこで、「スペシャライズ」を使って1つの製品や強みに特化したプロモーションを行うことで、ブランド力を向上します。リーダー企業にとって、どれか一つの強みに絞り込むのは容易ではありません。
(例:吸引力の落ちないただ一つの掃除機ダイソン vs 大手家電メーカー)
また、「ビジョン」を使ってジャイアント企業の製品やサービスによる弊害の解決を訴求することで、競合の持つ高いブランドイメージを低下させることが出来ます。ジャイアント企業にとって、弊害解決の訴求は、製品・サービスの否定につながるため、追随は困難です。
(例:無添加化粧品で化粧品による肌トラブルの解消を掲げるファンケル vs 大手化粧品メーカー)
その他、SNSの活用等でコストを最小化する「ミニマイズ」、返品・修理保証など顧客志向を徹底する「ユーザーフレンドリー」、自社製品に対する批判的な意見や原価率などの自社に不都合な情報も開示する「オープン」があります。
6.「自社の資産」のカードをGET!
競合の強みの源となっている工場、店舗などの設備、スタッフ、技術などの資産を攻撃します。
通常、ジャイアント企業は豊富な資産を持っています。これに対し「資産なし」により、最適なパートナーを選択したり、前述の「直販」カードと組み合わせて店舗や営業部隊などを持たずに事業を行います。この場合、多額の投資をして獲得した資産が無駄になってしまうため、ジャイアント企業は大きなジレンマに直面します。
(例:校舎を持たないミネルバ大学 vs 歴史ある校舎を誇るハーバード大学)
また、「代替資産」を使って、同じ機能をテクノロジーを活用したより効率的な資産で賄うことで、ジャイアント企業の既存の資産を攻撃することが出来ます。ジャイアント企業にとって既存資産を捨てるのは苦渋の決断であり、追随は容易ではありません。
(例:アプリを活用し教育コンテンツを低価格で配信するスタディサプリ vs 通信教育No.1の進研ゼミ)
その他、製品・サービスを絞り込むことによって資産を削減する「資産限定」、既存資産を活用してコスト競争力を向上する「既存資産」、革新的な製品・サービス提供のため新たな機能を獲得する「新規資産」があります。
7.「パートナー」のカードをGET!
競合が長い時間をかけて構築してきたパートナーとの良好な関係を狙って攻撃します。
通常ジャイアント企業は開発、販売、生産などでパートナーとの良好な関係を維持しています。「パートナーなし」を使って、あえてパートナーを持たずに事業展開を行うと、ジャイアント企業はパートナーとの関係が足かせになって追随がしにくくなります。
(例:系列部品会社、販売会社などを持たないテスラ vs 大手自動車メーカー)
また競合がパートナーを持たず、自社で資産を抱えている場合には、「代替パートナー」を使って、より効率的な方法で同等の機能を調達します。ジャイアント企業は自社の資産が不要になることから、追随は困難となります。
(例:外部ドライバー及び車両を効率的に活用して事業展開を行うウーバー vs タクシー会社)
その他、特定のパートナーに絞り込み独占的な提携を行う「パートナー限定」、既存のパートナーを活用して競合より有利な条件を獲得する「既存パートナー」、競合にはない機能をパートナーから獲得する「新規パートナー」があります。
さあ、これで35枚全てのカードがそろいました。このカードを使って実際に戦略を作ってみましょう!(カードの下のリンクからSTEP3に進んでください。)
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